当社が桧にこだわる理由、それは『生命力』。
「スギとクスノキは舟に、ヒノキは宮殿に、マキは棺に使いなさい」と日本書記に書かれているほど、ヒノキは古くから建築材として最適・最高であることが知られていました。
以前法隆寺の本堂と五重塔を解体した折、1,000年もの屋根の重みでかなり曲っていた軒を支える桧が、瓦や屋根土を降ろしたら、2、3日のうちに曲がりが戻って元の姿になったとのことです。
「日の木」とも言われるこのまっすぐな生命力を損なうことなく皆さまにお届けすることに、私たちは職人の誇りを感じています。
ヒノキは古くから建築材料として用いられており、弥生時代の神殿跡にも見られるように、特に寺院、神社の建築に利用されていました。
世界最古の木造建築物と有名なのが飛鳥時代の法隆寺ですが、他にも桧を使って現存する歴史的建造物は多く存在しています。
しかし桧は杉に比べて同じ樹齢でも半分ぐらいの太さにしかならないため、調達が難しく、鎌倉時代の東大寺復興の際にははるか周防国や長門国まで桧のを求め、江戸時代の再建の折にはとうとう桧を諦め、無垢材を使用する必要があった2本の梁は、日向国のアカマツの巨木を奈良まで運んだと言われます。
先ごろ行われた伊勢神宮の社を新しく建て替える「式年遷宮」でも大量の桧が使われました。 かつては木曽の山に神宮備林を設けましたが、今は国有林となり、次第に檜の良材を調達することも困難になってきました。大正時代の終わりから両宮の宮域林で樹齢200年以上のヒノキを育成することを目標に檜を育成しています。
式年遷宮で使用されたヒノキ材は日本全国の神社に配布され、むだなく再利用されています。